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ルメールの騎乗停止からの代役探しに感じる日本競馬の行く末

外国人騎手として史上初のJRA通算1000勝、3戦連続GⅠ勝利とこの世の春を謳歌していたルメールが断然人気のグランアレグリアを飛ばしたばかりか、直線の斜行で騎乗停止を喰らってダービーまでアウト。
北村宏司を負傷させる原因となった3月の騎乗停止から2ヶ月しか経ってない加重制裁で通常よりも重い処分となったが、皐月賞は過怠金で済んだとはいえ、最近のルメールは【勝つ為には何をやっても許される】と勘違いしてたというか、度を越した荒い騎乗が目に付いたのでこの処分は至極妥当と思う。かしわ記念のゴールドドリームは大丈夫なんだろうか?(馬券買わないけど)

ルメールの騎乗停止でヴィクトリアマイルのノームコア、オークスのコントラチェック、ダービーのサートゥルナーリア、目黒記念のブラストワンピースと有力馬の鞍上が一気に宙に浮いて「ノーザンざまぁwww」と浮かれていたが、コントラチェックとサートゥルナーリアは短期免許で来たばかりのレーンで調整されているとか。この分だとブラストワンピースもレーンになりそう。
後腐れなくルメールに戻す為に短期免許で誰か引っ張って来るだろうと半ば予想はしていたが、サートゥルナーリア位はデムーロに戻しても良かった気がする。しかしまぁ、外国人騎手妄信主義で凝り固まった社台・ノーザンのマキャベリズムもここまで突き抜けていると、船舶モノを無闇に有り難がり、培われた土着の価値観を全否定する日本人のダメなところっていつの時代も変わらないなと改めて思う。
初来日でも日本競馬に対応出来てるレーンに悪感情はないんだが、この人選に納得出来るような合理主義を持ち合わせていないので白けてしまった。サートゥルナーリアが同世代で抜きん出た存在なのは明白なので軸の予定は変わらないが、勝ったとしても馬券が当たれば喜びはするが、サートゥルナーリアやレーンに関しては何の感慨も抱かないだろう。

最近は玉石混交の度合いが増したが、基本的に短期免許で日本に来る外国人騎手は自国でそれなりの実績を積み上げ、その腕を評価されて来るのだから、そこら辺の日本人騎手より乗れるのは確かだ。しかし、だからといって自国のGⅠ、それもダービーに腕はあっても、日本での知名度皆無なぽっと出の外国人騎手を乗せるとか、伝統や権威を全く尊重していない【自分の生産馬が勝ちさえすればどうでも良い】というノーザンの傲慢な姿勢が見え隠れする。
日本からの海外遠征では【現地の競馬は現地の騎手が一番良く判ってる】と宣ってホイホイ騎手のすげ替えをやってるのに(ブラストワンピースも凱旋門賞遠征前提という名目で池添がクビになったし)、ただ、上手いからとだけで自国のGⅠはおろか、平場のレースでも外国人騎手を乗せたがって日本人騎手を育てる意思が全くないダブルスタンダードには反吐が出る。

平成から令和に移り変わったこの30年余りで日本競馬は大きく様変わりした。それを牽引した中心的な存在が社台・ノーザンなのは否定しようがない事実だ。
とりわけ、サンデーサイレンスの輸入は日本競馬にとってエポックメーキングと言える一種の革命だった。日本産馬の質は大いに向上し、その血を引く馬がタイキシャトルやエルコンドルパサーがこじ開けた海外競馬への遠征を毎年の様に敢行し、ステイゴールド、ハーツクライ、シーザリオ、ヴィクトワールピサ、モーリス、ジャスタウェイ、先日のアーモンドアイ等、多くの馬が勝利を積み上げて来た。
【日本は種牡馬の墓場】と言われたものだが(俺は今でも払拭されてないと思ってるが)、日本で活躍した馬がシャトル供用だけでなく海外で種牡馬生活を送る事も珍しくはなくなった。セレクトセールに外国人のバイヤーが来るのも当たり前の光景になった。その成果の一つがサクソンウォリアーの英2000ギニー勝利だろう。オセアニアへは現役のまま移籍する日本馬も増え、ブレイブスマッシュがGⅠ2勝挙げる活躍を見せた。
かつてはただ中継を観るだけだった海外競馬も日本馬が出走したレースに限ってではあるが、当たり前に馬券が買える時代となった。海外競馬の情報を知ろうと思えば簡単に調べられる時代となり、一種の雲の上の存在だった頃に比べればかなり身近になった。

その一方、次世代の人材を育てる、とりわけ騎手を育てる事に関しては劣悪な環境になったと言わざるを得ない。岡部ラインが牛耳ってた関東は兎も角、関西は若手にチャンスを与える風潮があった。平成初期は松永幹夫や武豊を中心とした若手騎手ブームが起こり、GⅠでも若手騎手に騎乗機会が与えられる時代だった。
だが、今はどうだろう?若手騎手がGⅠで騎乗する事など年に数回あるかないかと言える状況。重賞でもローカルならそれなりにあっても、中央開催では自厩舎以外ではなかなか騎乗機会に恵まれない。

まだ調教師の力が強かった頃は【一旦預かったからには弟子はしっかり育てる】という文化が残っており、それに固執して素質馬をダメにする弊害もあったとはいえ、【この馬にはこの騎手】という名コンビが誕生したものだし、そこから飛躍の切っ掛けを掴んでリーディング上位の常連となる騎手も存在した。中野栄治、小島貞博、大西直宏みたく燻ってた騎手がダービージョッキーになるというドラマもあった。
しかし、社台・ノーザンやそれに追随するクラブの発言力が急速に膨大化した事でこのパワーバランスが大きく変貌し、調教師の立場が弱体化すると関西ですら自厩舎の騎手を育てる風潮は衰退したと言える。この風潮が残ってたのは浜中の世代までだろう。藤田菜七子は物珍しい客寄せパンダとして周囲が珍重してるだけで育ててるとは思えない。
結果だけを求めて外国人騎手を起用し続け、若手騎手にチャンスらしいチャンスを与えずに調教助手代わりとした結果、競馬の魅力の一つであり、ギャンブルとは対極の側面であるロマンは大きく損なわれた。GⅠ馬ですら主戦騎手は誰?と問われても思い浮かばない事が多い昨今、ファンが投影したくなる人と馬の絆は生まれにくくなっている。寺山修司が生きていたとしても、今の競馬界には何の感慨も抱かないだろう。

所詮、サラブレッドは経済動物。血統も然る事ながら、競走馬としての実績を高める事が種牡馬・繁殖牝馬としての価値にも繋がって行く。生産者にとっては、将来的に巨額の金を生み出す金の卵候補の実績を高める為に日本人騎手よりも腕が立つと見込んで連れて来た外国人騎手を起用するのは、マネーゲームとしては最良の選択肢なのかもしれない。
しかし、その一方で日本人騎手を育てる事もしないで目先の結果だけを求め続ける風潮は中長期的な視点で見れば日本競馬にとって深刻な破綻をもたらすのではないだろうか?いや、最近は寧ろ破綻してしまえとすら思い始めている。失ってはいけないものを容赦なく切り捨てている日本競馬の未来は決して明るくはないと断言しておく。

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