無名のサラブレッドがシンザンを超えた日

五冠馬という言葉を作り、日本競馬史に燦然と輝く実績を残し、種牡馬としても内国産種牡馬冬の時代に輸入種牡馬と対等に渡り合った名馬シンザン。1996年に大往生したが、35年3ヶ月と11日というサラブレッドの長寿記録は長らく破られず、長寿記録に迫ったリキエイカンやハギノカムイオーの訃報が流れる度に「シンザンには届かなかったかぁ」と思ったりしたものだ。
何の因果か、現在生存してる重賞勝ち馬の最高齢馬は息子のミホシンザンだが、父親の記録を超えるにはあと3年以上生きなければならず、当分の間は破られないものだと思ってた。

それが不意に破られた。先日のスポーツ紙に長野の牧場で飼育されているシャルロットという牡のサラブレッドが今月26日にシンザンの長寿記録を更新したという記事が掲載された。
シャルロットは乗馬に転身した後の名前で競走馬時代の名前はアローハマキヨ。父は快速の良血馬アローエクスプレス。自身のスピード能力を着実に伝えた優秀な種牡馬で1980、81年には中央+地方のリーディングサイアーになっている。ただ、アローハマキヨにはそのスピード能力が伝わらなかったか、南関で走って61戦2勝と凡庸な成績だったようだ。
現役引退後は各地の乗馬クラブを転々とし、2003年から現在の牧場で飼育されているらしい。最晩年は何度か危篤状態に陥って如何にもヨボヨボな風貌だったシンザンとは対照的にシャルロットは現在でも人を乗せて走れるというのだから、驚きの生命力である。

馬自身の生命力が強靭なのもあるだろうが、無名の馬を処分する事なくキチンと余生を送らせている所有者や世話をしている牧場関係者の尽力があってのものだろう。GⅠ馬でさえ用途変更されて行方不明になる事があるだけに、シャルロットは人に恵まれたものだとつくづく思う。

以前にも書いたが、サラブレッドは人工的に交配された経済動物である以上、後継種牡馬を後世に残して血を継承していくのが最良の使命だと思う。しかし、後世に血を残せなくとも安寧の地を得て平穏に過ごすのもそれはそれで幸せな一生だと思う。
その延長線として、名もなきサラブレッドが不世出の名馬を超える。これも競馬の面白さの一つだろう。

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