2016ロンジン香港国際競走(ヴァーズ、スプリント、マイル)回顧

昨年の10頭を上回る13頭が遠征した今年の香港国際競走だが、大将格のモーリスとエイシンヒカリがいたカップ、ビッグアーサーがいたスプリント、エイブルフレンドが復調途上でチャンスがあったマイルに比べてヴァーズの期待値は低かったと思う。

昨年のこのレースの勝ち馬で凱旋門賞2着、BCターフ1着と完全復活したハイランドリールという大本命がいたし、2400mは明らかに長いスマートレイアー、昨年春なら兎も角、今となっては牡馬相手では分が悪いヌーヴォレコルト、京都記念以降は精彩を欠くサトノクラウンでは太刀打ち出来ないだろうと思ってたわけだが・・・
サトノクラウンが大逃げを打ったエクラールをゴール寸前で捕らえて有終の美を飾った2001年のステイゴールドを思い出させる末脚でハイランドリールを差し切る大金星。来なかったスプリント、マイル、カップでは買っていたが、よりにもよって買ってなかったヴァーズで”マジックマン”モレイラの神騎乗炸裂。

スタートから内へ内へ進路を取り、首尾よくインに潜り込んで道中は中団のインで折り合っての追走。各馬の動きが激しくなった勝負所では動かず、一旦は後方4番手まで位置取りを下げたが、4コーナーのコーナリングで順位を上げ、直線は馬群を縫うように捌いて2番手に上がり、逃げ込みを図った2着馬を差し切った。
本質的に2400mは微妙に長いと思うが、終始一貫して内を立ち回ってスタミナの消耗を最小限に抑えたのが勝因だろう。それに、4コーナー~直線での捌き方が神ってたモレイラの技量も大きかった。

一方、上手く立ち回れた勝ち馬とは対照的に裏目裏目に出たのが4着に敗れたヌーヴォレコルト。こちらも外枠から内へ入れようとしたが、密集した集団の外になってしまって内に入れず。
向こう正面で最後方まで下げて内に入れ、直線の末脚に懸けたが、これまた進路が開かず、スマートレイアーの外へ出して盛り返したものの、4着に浮上するのがやっと。今年未だJRA重賞未勝利という1年を象徴するような岩田のツキのなさだった。

スマートレイアーは終始集団の外目を回らされる競馬になったが、3~4コーナーで一旦2、3番手に上がって見せ場十分の5着に健闘。シルバーウェーヴ、ビッグオレンジ、ヘレンハッピースターといった外国勢の有力所がパッとしなかったのもあるが、明らかに長いこの距離でこれだけ走れば大したもの。

ハイランドリールはビッグオレンジが出遅れたのもあって自ら主導権を取る競馬だったが、途中で出遅れたビッグオレンジがハナを奪いに掛かり、それを振り切るのに少し脚を使わされたのが最後のひと踏ん張りを欠く要因になったと思う。
ワンフットインヘヴンは直線で外から内へ潜り込んで馬群を割って来たが、勝ち馬ほどの際立った脚は使えず。展開面でカギを握ると思ってたビッグオレンジは逃げられなかった逃げ馬の脆さを曝け出しただけだった。


スプリントはロードカナロアに粉砕された時以外は圧倒的な層の厚さを見せつけてた香港勢が4着まで独占してスプリント王国健在をアピール。とはいえ、勝ったのは抜群の安定感でのし上がったラッキーバブルズではなく、来年で9歳になる古豪エアロヴェロシティとは少々驚き。

ハナを切ろうかという好スタートから最内のペニアフォビアを先に行かせて好位集団から。勝負所からジワジワ動き、直線は2番手の外に出してペニアフォビアを交わし、猛然と追い込んで来たラッキーバブルズの追撃を凌ぎ切った。
好スタートから楽な形で良いポジションが取れたし、内枠を利して無駄のない立ち回りが出来たのもあるが、昨年の高松宮記念で見せた鬼神の走り再びである。歴代の名スプリンターを比べても遜色のないパフォーマンスだった。

2着ラッキーバブルズはスタート自体はまずまず良かったが、そこから控えて後方に下げて末脚を温存。勝負所ではレッドファルクスと並ぶ形で後方3番手となったが、直線で上手く外へ持ち出して大外から一気に追い込んだが、勝ち馬に僅かに届かず。この馬に競馬は出来たが、勝ち馬のしぶとさが一枚上手だった。

3着ペニアフォビアは好スタートから最内枠を引いた事もあっての宣言通りの逃げ一手。3~4コーナーでは2番手の馬からプレッシャーを掛けられはしたが、直線で逆にこれを振り切っての逃げ込み態勢。最後は1、2着馬に交わされたが、昨シーズンの香港チャンピオンスプリンターの力は見せた。今シーズンは今一つの成績で見切ってしまったのが失敗。

落馬負傷した福永に替わってムーアを配し、内枠が祟って惨敗したスプリンターズSから外枠は却って良いのでは?と思われたビッグアーサーだが、ビックリするくらいの空気で10着惨敗。レッドファルクスも勝負所でスペースを確保しようとした2着馬のプレッシャーをモロに受けて戦意喪失気味の12着。皮肉な形でロードカナロアの偉大さを再確認。


マイルは昨年はモーリスと人気を二分した香港の名マイラーエイブルフレンドが屈腱炎明けからどこまで力を取り戻してるか注目してたが、残念ながら全盛期の伸び脚には及ばない脚色で6着に上がるのが精一杯。
屈腱炎明けを叩いての2戦目で劇的な変わり身に欠けたのもあるが、内へ入れるのに後方2番手にまで下げざるを得ず、直線も大外へ出さざるを得なかった。14番ゲートという外枠に泣かされた結果。

とはいえ、スプリントに続いてマイルも4着まで香港勢が独占。従来の既成勢力ではなく4、5歳の若い世代が3着まで占めて世代交代を印象付ける結果となった。
特に前哨戦のジョッキークラブマイルも勝っての連勝となったビューティーオンリー。エイブルフレンドの隣の13番ゲートだったが、エイブルフレンドよりも良い位置を取って道中は末脚温存。4コーナーから外を回って進出を開始し、大外から大激戦となったゴール前の攻防にケリを付けた。
正に充実一途という直線の伸び脚でこれからの香港マイル路線はこの馬が引っ張って行く事になるだろう。安田記念へ来るか何とも言えないが、モーリスが去った日本のマイラーならチャンスはあるかもしれない。

香港勢で一番魅力を感じてたサンジュエリーは期待外れに終わったが、穴ならこれだろうと思ってたヘレンパラゴンがゴール前は勝ち馬よりも良い伸びを見せて2着に浮上。前走はサトノアラジン@マイルCSばりの不利を被って崩れたが、今回はスムーズに末脚を伸ばすことが出来た。

日本勢は本命ロゴタイプが最先着の5着に健闘も・・・「何でこの大一番でやらかすのだデムーロは」と恨み節の一言でも言いたくなる勿体ない競馬だった。
スタートで上手く自分のリズムを作れるかがカギだったが、よりにもよってスタートで出遅れ。そこから挽回して先行集団に取り付くのに脚を使ったし、直線も前が壁で外へ持ち出すロス。何とか狭いところをこじ開けて一瞬先頭に立とうかという見せ場を作ったが、最後の一伸びが足りなかった。スムーズだったら2、3着はあったと思うだけに実に勿体ない。

1番人気に支持されたサトノアラジンだが、まるでハープスター@凱旋門賞と同じような大外ブン回しをしてては無理だろうと突っ込みたくなる7着。香港の馬場も微妙に合ってなかった感じだが、ダービージョッキーになっても川田が今一つ殻を破れてない現状が集約された騎乗に思えた。

ネオリアリズムはマイルCSと同様の積極策で2番手に付け、直線でも途中までは先頭に立とうかという場面もあったが、最後は力尽きて9着。モーリスやサトノクラウンと違って木曜ではなく金曜に追い切られたのが影響したのかちょっと分からない。

馬券はスプリントの馬連のみしか取れずの完敗。ヴァーズは本命対抗が2着3着、マイルとカップは軸を間違えてのタテ目と噛み合わせさえ間違わなければという、ある意味最も堪える外し方。個人的には凱旋門賞よりも力が入ってただけに、この結果は色んな意味で悔しい。

テーマ : レース回顧
ジャンル : ギャンブル

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