My Favorite Race Vol.10 ~99、2000年フェブラリーS~

韓国で種牡馬生活を送ってたメイセイオペラが7月1日に心不全で死亡した事が発表された。22歳と高齢に差し掛かっていた事もあってか、関係者が帰国に向けて準備してた矢先の訃報となった。
岩手競馬所属の地方馬とあって、メイセイオペラに関しては競馬関連の本やネットで目にする通り一遍の知識以上の事は知らない。南関のアブクマポーロと鎬を削りながら中央勢を迎え撃った事は当然知っているが、当時はダート路線(特に交流重賞)にそれ程注目してなかったので地方でのレースは殆ど覚えていない。当時の交流重賞は競馬場に足を運んだ際にモニターで流れる地方競馬ニュースみたいなので流れる映像くらいしか目にしてなかったしなぁ。

しかしながら、メイセイオペラが遠征して来た2度のフェブラリーSは強烈に印象深いレースとして覚えている。よって、マーベラスサンデーやファレノプシスと違って久方ぶりにこのコーナーで取り上げる事にする。

【開放元年】と称された1995年以降、多くの指定交流競走が設けられ、交流競走に指定された地方の重賞レースにグレード制が導入され、中央地方の交流が本格的となった。
しかし、開放元年こそ4歳牝馬特別を勝って牝馬クラシック全てに参戦したライデンリーダーを筆頭に地方馬の健闘が見られたが、翌年以降は中央に遠征して来た地方馬は悉く一敗地に塗れ、逆に地方の交流重賞はライブリマウント、ホクトベガと続いた独裁政権以降も中央馬の草刈り場と化していった。
交流重賞に興味がなかったのは「交流とは名ばかりで、実質は中央馬が席巻してる予定調和じみた結果だらけのレースに何の意味があろうか?」という考えがあったからだ。
そんな考えを少しずつ変える切っ掛けとなったのがメイセイオペラのフェブラリーSだった(アブクマポーロの東海ウインターSも強烈だったが)。

1999年のフェブラリーSは前年に交流重賞を席巻したアブクマポーロが輸送の不安と距離適性を考慮して不出走を表明していたので混戦ムード。中央勢は芝ダート兼用のスプリンターワシントンカラーが1番人気に支持され、前哨戦の平安Sの勝ち馬オースミジェット、一昨年の南部杯の勝ち馬タイキシャーロック、2年ぶりのダート戦出走となる桜花賞馬キョウエイマーチ、東海ウインターSの勝ち馬マチカネワラウカドが上位人気を形成。
メイセイオペラはそれらの中央勢に交じって2番人気。アブクマポーロのライバルという立場からすれば微妙な評価ではあったが、初の中央遠征で半信半疑な面があったのは否めない。俺もメイセイオペラは対抗までの評価で本命はタイキシャーロックだった。
しかし、メイセイオペラは強かった。地方馬にとって経験のない芝からのスタートを無事に乗り切って好位に付け、3~4コーナーでジワッと進出を開始。残り1Fで逃げたキョウエイマーチを交わし、中団待機から追い縋って来たエムアイブラン、タイキシャーロック、オースミジェットを全く寄せ付けず。
ド派手なインパクトを与えたライデンリーダー、後手を踏みながらも直線で纏めて薙ぎ倒したアブクマポーロとは違い、正攻法からの横綱相撲で押し切ったメイセイオペラの勝ちっぷりには前述の2頭とは違う意味で度肝を抜かれた。馬券はエムアイブラン(この馬も地味に好きだった)を入れたボックス馬券で購入していたので当たったが、なんつーか色々と打ちのめされた気分だった。

しかし、メイセイオペラに対して畏敬の念を抱いたのは翌年のフェブラリーSの方だった。
フェブラリーSの勝利でドバイ遠征も取り沙汰されたが、この年はアブクマポーロとの決着を付ける事を優先して(アブクマポーロの引退で実現せず)国内に専念。だが、秋の指導戦に予定してた南部杯を回避して始動がずれ込む影響もあったのか、ドバイ遠征壮行戦となる筈だった暮れの東京大賞典でまさかの惨敗を喫すると、その後も調子は上がらずに結局ドバイ遠征は立ち消えに。
2年連続となったフェブラリーSはそれでも3番人気に支持されたが、状態面の不安に加えて自己最高の馬体重。降って湧いたかのような突然のダート出走だったキングヘイロー共々、今年は完全にお客さんだろうとタカを括って無印にした。
レースはオリオンザサンクスがキョウエイマーチのハナを叩いて大逃げの展開。こうした展開を想定してウイングアローから流してた俺としては「ヨシヨシ、これで直線は差し追い込みで決まるな」と早々と馬券を取った気分だった。
しかし、3番手追走から直線半ばで早々と先頭に立ったメイセイオペラが坂を上がっても脚が上がらずに先頭をキープしてるのを見ると昨年のレースが頭をよぎり「馬鹿野郎、何やってんだペリエ、豊!早く差せ!!」と肝を潰しかけた(ついでに書けば3着ファストフレンドも持ってなかった)。
何とか馬券は取れたが、明らかに完調には程遠い状態で見せたメイセイオペラの底力に心底ビビった。まともな状態であれば確実に連覇達成していたであろう。此方の予想を覆して激走した馬に畏敬の念を抱く事は他にも何頭かいたが、地方馬でこうした感情を抱いたのはメイセイオペラだけだ。

メイセイオペラはこの年限りで引退して種牡馬入り。しかし、初年度は83頭の種付けを行ったものの、2年目は48頭に激減し、3年目は更に半減。黒潮盃を勝ったツルオカオウジ、兵庫ジュニアGP2着のジョイーレ等が目立つ程度でフェードアウトしていくものと思われた。
しかし、輸出された産駒の勝ち上がり率が良かったのもあって韓国へ輸出が決定。これをどう捉えるか人それぞれだろうが、最後の年は3頭しか種付けしてなかった日本に比べて多くチャンスを与えられ、韓国で種付けした産駒から重賞馬を輩出したのだから、個人的にはメイセイオペラの輸出に悪い印象を持っていない。

メイセイオペラ以降、トーシンブリザード、アジュディミツオー、フリオーソ、ラブミーチャン等、地方の交流GⅠを勝った地方所属馬は何頭かいるが、2016年現在でJRAのGⅠを勝った地方所属馬はメイセイオペラのみ。今回の訃報でこの馬の偉大さを改めて再確認させてもらった。合掌m(__)m

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