ダービー回顧

非凡な瞬発力と切れを備えた末脚の性能は認めながらも、後方一気の脚質と皐月賞で見せた雑な騎乗から「合ってるか合ってないかの二択なら川田とは合ってない」と断言までするという、対抗に据えた馬とは思えない寸評だったマカヒキがそれまでのスタイルとは一転した走りでダービー馬の栄冠に輝いた。馬券は本線で取れたが、川田には申し訳ない気分でちと複雑(・ω・;)

スタートからそれまでのマカヒキと違っていた。五分に出ると、そこから軽く促して位置を取りに行き、中団のインを確保すると丁度斜め前に当面の相手であるサトノダイヤモンドがいる絶好の展開。ペースも中盤に緩んだが、それ以外は程良く流れて折り合いもスムーズ。
4コーナーでサトノが先に動いて外へ回したのに対して動かずに我慢。直線で馬群を割る賭けに出る形となったが、直線でエアスピネルとサトノの間を割に行ったところでサトノが外へヨレてスペースがガラ空きに。一気に抜け出したところへ態勢を立て直したサトノとの追い比べになったが、僅かにハナ差凌ぎ切った。
内枠で労せず位置を取れたのも大きかったが、操縦性に難ありと思われたこの馬がこうした立ち回りが出来るとは思わなかった。更に4コーナーで動かず、間を割れなかったら仕方ないと我慢した事が見事に間が空くという運を呼び寄せたように思える。全てが上手く噛み合った勝利だった。
勿論、動くべきところで動き、我慢すべきところで我慢した川田の騎乗もお見事。先行させて持たせるしぶとさと岩田系の追い方ながら、蛯名や幸と違って馬上ダンスにならずにしっかり追える騎手として評価してたが、その一方でマーク屋的競馬が巧くない、そのイケメン故にか闘争心が前面に出て来ない点から、福永化する危険性をこれまでにも何度か指摘してた。
しかし、今回はトゥザワールドでの失敗を糧にしたような騎乗に加え、ゴールまで不細工な追い方になったとはいえ、何としても勝ちたいという意思を感じられて一皮剥けたというか、やれば出来るじゃあないかという感じ。これでもう一つ上のレベルに行けるであろう。

2着サトノダイヤモンドはスタートを決めてそのまま位置を取りに行って中団前目をキープ。勝ち馬がすぐ側にいてマークされる形になったのは誤算だったが、この馬自体の折り合いは実にスムーズ。4コーナーで後方のヴァンキッシュランが差を詰めに掛かったのを察知して被されないようにジワッと外へ。
直線坂下から追い出しに入り、先に先頭に立ったエアスピネルを捕まえに掛かったところで外へヨレてしまい、その間から勝ち馬に抜け出されてしまう。立て直して差し返しに行ったが首の上げ下げで僅かに届かず。
4角で半拍早く動かなくてはならなかったのに加え、レース中に左後脚の蹄鉄が外れるアクシデントがあったらしく、それが直線半ばでヨレる原因になったのかもしれないが、それでも従来の年であれば勝っていただろう。しかし、ハイレベルで拮抗したレベルの馬が揃った今年はそうした僅かのトラブルが命取りになってしまった。

3着ディーマジェスティはスタートが若干甘く、そのまま内で包まれる事を嫌ってか、外へ持ち出して中団馬群の中で前にいた1、2着馬をマークする形。4コーナーで2着馬が先に動いたのに対し、こちらは2着馬と同様に待ちの姿勢で直線で2着馬の外へ。
直線では坂からジワジワとエンジンが掛かって坂上で勢いが付いて皐月賞の再現になるかと思われたが、そこで2着馬に寄られて勢いを削がれてしまい、立て直して追い縋ったが、半馬身差届かずの3着。
枠が決まった時には歓迎された最内だが、スタートの甘さが仇となってしまった。人気がなければ、それでも最短距離を回って内を狙う選択肢もあっただろうが、人気を背負ってた事もあって安全策を取って外へ出したのが結果として直線半ばでの不利に繋がった。2着馬と共に、僅かのトラブルが勝ち馬との明暗を分けたと言えよう。

エアスピネルは持ち前の機動力を活かしてジワッと好位を取って、道中はややバラけた先行集団を見ながらの競馬。初の左回りに戸惑ったか、4コーナーのコーナリングが雑になったところを右鞭で修正しながら直線へ。坂で一旦は先頭に立ったが、坂上で少し甘くなって上位馬の末脚に抵抗出来ず。
上位馬とは距離適性の差も出たが、持ち前の機動力を駆使して他の有力馬よりも先に動く正攻法の立ち回りで見せ場十分の競馬。リオンディーズ、スマートオーディンの追い込みは封じているのだから、立ち回りとしては申し分なかった。つくづく生まれた時代が悪すぎた馬である。

リオンディーズは返し馬の映像を見て「今回も駄目だな」と半ば諦めていたが、スタンド前で頭を上げ出し、今回も折り合いを付けるの四苦八苦。それでも前に壁を作って向こう正面で何とか暴発はせずに脚を溜め、直線では馬群を捌きながら追い込んで来たが、前が止まらない馬場で位置取りの差がモロに出る形に。
折り合い面を考えれば後方から溜める競馬になるだろうと思ったし、実際その通りの競馬だったが、前半であれだけ掛かってしまっては上がり最速とはいえ際立った脚は使えない。もう、あの気性の難しさはどうしようもないレベル。追い切りでは上手く折り合えて「これなら本番でも」と思わせてしまうのだから余計に始末が悪い。今後も馬券の取捨に悩みそうだ。

スマートオーディンはスタートから後方に下げて末脚を溜める作戦だったようだが、控える過程で幾分引っ張り気味。中団後方で人気馬を見ながら脚を溜めたが、直線は前に3着馬、外へヴァンキッシュランがいて追い出しを待たされるロス。ヴァンキッシュランがタレて空いた外から追い上げては来たが、やはり2400mでは切れ味が半減してスパッと切れないまま。
力まずに脚を溜められればもう少し上位馬に迫れたかもだが、溜めるにしても「もっと後ろから行きたかった」と言ってる時点でなんつーか、戸崎に勝ちはなかったかなぁと思う。まぁ距離適性を考慮すれば前半を受け流して溜めるのが良いのだろうが、今日は極端な後方一気などまず届かない馬場で戸崎のコメントは「それはない」と思ってしまう。

そう考えると、勝負に絡めなかったとはいえ、後方3番手から直線大外へぶん回しながらもそれなりに脚を使ったレッドエルディストは差し馬のステイヤーとして予想通り秋は面白そうな存在になって来そう。尤も、タンタアレグリアに近いイメージなので突き抜けるまでの怖さは感じない。

PO馬プロディガルサンは大外枠から果敢に前を取りに行っての4番手。前に壁は作れなかったが、折り合い自体はスムーズで4コーナーからジワッと進出。坂下で一旦は先頭に立ってエアスピネルにも暫く抵抗していたが、坂上で脱落。とはいえ、小細工なしの正攻法で見せ場を作った田辺には感謝。

ヴァンキッシュランは道中は人気馬を見ながら中団の外目でレースを進めたが、4コーナーでジワッと動いて進出しようかというアクションを最後に直線は全くの空気。気性面で危なっかしい面があるのは知ってたが、それにしてもビックリするくらい走らなかったなぁ。

馬券は本線の馬連と3連複のダブル的中で久々に勝ちらしい勝ちだったが・・・もうちょっとこう、2、3着辺りに伏兵陣が割って入る事を内心期待してたので人気サイドの決着に少々味気なさを感じてしまう。まぁ久々のダービー的中でそれは贅沢な悩みか。最後に当てたのって、メイショウサムソンが勝った10年前だしw

テーマ : レース回顧
ジャンル : ギャンブル

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今日は(*^o^*)

リオンディーズはパドックでテンション高く入れこんでいたので「これは駄目だ」と見送りました。
エアスピネルは勝つ方法は、奇策で逃げるか、先行策しかないと思っていましたが、川田騎手のあの騎乗は予想出来なかったです。差し・追い込み馬に騎乗した場合は評価下げてしまいみくびってました。脱帽ですm(_ _)m

Re: 今日は(*^o^*)

確かにマカヒキの位置取りは予想外でしたねぇ。お前、その位置からでも競馬出来んのかって感じでしたわw
エアスピネルはNHKマイルCの方が勝算はあったと思いますが、そうなれば豊から乗り替わってしまいますからねぇ。回顧でも書きましたが、生まれた時代が悪すぎ。
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